『政策過程論?』
政策過程という言葉の持つ意味は確かに多様であるが、この本に書かれている論考の一部について、政策過程分析とすることに、評者は納得がいかない。評価が低くなっているのは、個々の論考の水準の問題以前に、この本が『政策過程分析の最前線』なのか、ひいては政策過程という題名を付すに値するものなのかという疑問がぬぐえないからである。
どうやら肩書きを見ると、草野氏の下で学んだ人々のようである。正直なところ、多くの章について、分析の方法や解釈が、浅さを感じたり、腑に落ちないところが多かった。
大嶽秀夫が『政策過程』の冒頭で、優れた政策過程の修士論文を書いた学生がその後伸び悩むということを書いていた。それは、政策過程をただ記述した結果であると大嶽は述べている。草野は第1章で分析枠組みの精緻化よりも大切なことがある、といったニュアンスのことを書いているが、自己弁護のように聞こえてならなかった。