『危機が起きてしまったら・・・』
その時はどうすればいいのだろう?
この問題はますます様々な分野で実際に必要となるし、また考えられるものだろうと思います。その意味で、事例部分はとても興味深く読みました。
本書を通じて、著者は従来の危機管理論が推すトップダウン型構造よりもチーム型がよい、そしてチーム型で危機に臨む際の成功の鍵は「エフィカシー」だ、と主張しています。「エフィカシー」って「自信があれば何でも出来る」(猪木っぽい?)ってことかな、と邪推したりしつつも、なかなか納得できます。
その一方で、本書では扱われていませんが、同様の問題を扱う高信頼性組織のような議論では、トップダウンと、よりフラットに近い構造を柔軟に行き来できるような能力をもつ組織を作ることが重要だ、としていたりもします。トップダウンか、チーム型か、あるいはその行き来か。まさにいま重要になっているテーマだけに諸説入り乱れているようです。個人的にはいろんなパターンをうまく使い分けられる「組織文化」の醸成を目指す高信頼性組織の議論が好みですが、いろいろ比べてみるとより自分の状況にあったものが見えてくるのかもしれません。それに、危機も、飛行機の故障など「事前に防げたかもしれないもの」と災害のように「いきなり外からやってきたもの」とでは、多少対応の仕方も異なってくる気もします。
その意味で、もうすこし前半部の理論編が充実しているとよかったのになと思いました。
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