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社会保障と日本経済―「社会市場」の理論と実証 (総合研究現代日本経済分析 1)

『社会保障は経済成長に貢献している!? 初の実証分析による反論』
近年は、財界・経済学者・マスコミ等を中心に「社会保障が日本経済の足を引っ張っている」という論調が幅を利かせているが、そうした昨今の風潮に真っ向から反論を試みたのが本書。
「社会保障制度の発展が様々なルートで日本経済を底支えしている」という主張は、これまでも局所的に展開されてきたが、ともすると観念的な主張のみに終始し、数値的な根拠を伴った反論はこれまで皆無であった。著者もまた、過去の講演や著作等ではデータ等を省略することが多かったが、本書では、これまで掲載を簡略化していた膨大な数値・データ等を惜しげもなく全収録したため、400ページを超える大著となったが、説得力は増した。これまで経済学者からの一方的な批判に対し、実証分析を以って反論に転じたのは、おそらく本書が初ではないか。
その他にも、社会保障を論ずる上で示唆となる考察がテンコ盛りで、今後わが国の社会保障を語る上で外せない定番となること必至。経済学に疎い社会保障学者は勿論のこと、社会保障に疎い経済学者にも是非目を通して貰いたい一冊。なお、本書で語られている社会保障の経済効果は、以下の通り。

 ◆生活安定効果(年金等の社会保障給付が消費を下支え)
 ◆所得再分配効果
 ◆労働力保全効果(医療制度が労働力の創出・保全を下支え)
 ◆産業・雇用創出効果(医療・介護業界の経済波及効果は公共事業以上)
 ◆内需拡大効果(地域経済で最も成長著しいのは介護産業)
 ◆資金循環効果(年金積立金は金融資本市場への資金供給源)

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