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サロメのダンスの起源―フローベール・モロー・マラルメ・ワイルド

『サロメのダンスに関する、類を見ない壮大なスケールの研究です!』
 “サロメのダンス”に関するとにかくスケールの大きい壮大な研究で、圧倒させられます!一人の研究者がこれだけ多くの資料を渉猟し、考えられる限りのあらゆる角度から研究できるものなのか…!と驚嘆させられました。
 “サロメ“というと、オスカー・ワイルドやモローの絵画に出てくる、神秘的な「月」のイメージが強い人が多いと思いますが、実は、19世紀の文学者フローベールの短編『三つの物語』の「ヘロディアス」において、初めてサロメのダンスが言語化されたことをこの本は明らかにしています。そして、実はこのフローベールの短編中では、「月」ではなく、むしろ「スカラベのダンス」によって表される「再生」「復活」のイメージ、すなわち、太陽神話が中心となっていた(!)事実が徐々に明らかにされます。こうした「昇る太陽」のイメージを始めとし、この短い短編の中にいかに多くの象徴が宝石のようにちりばめられているか、魔力的とも言うべきフローベールの文体の効果が、著者の詳細な分析によって、錬金術のように解き明かされていきます。
 … と、これだけでも驚きなのですが、さらにこの著者は、モロー、マラルメ、ワイルドにおけるサロメ像を比較分析し、単なるフローベール研究にとどまることなく新たな地平を見いだしています。最終章は、サロメのダンスの起源を、美術史、中世の聖史劇や動物叙事詩にまで遡り、さらに19世紀以後の舞台(演劇、オペラ、バレエ)への発展、そして現代におけるサロメ像の変容…と我々の生きる時代において、サロメ神話がまだまだ発展し進化していくことを予感させます。
 サロメのダンスを出発点とした壮大なテーマの形成、著者の飽くなき探究心に、驚きを禁じ得ない研究書となっています!

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