『強烈なインパクト』
「幼年連祷」、「常世から」、「祈りの虹」の3曲が入っています。「祈りの虹」は混声合唱版を私もステージで歌いましたが、これらの3曲、強烈なインパクトです。
「幼年連祷」は幼い子が死んだ思い出を・・・と言うのではなく、誰もが持っていた幼年をいやおうなく思い出させる曲集で、ノスタルジックな、しかしそこに適度な悲しみを漂わせる楽曲で作られています。以前から気になっていた曲集と言うこともあるのか、一度聞いただけで、すっとこの世界に入っていけました。
「祈りの虹」。広島に原子爆弾が投下されたその惨状を、強烈な音に変えて迫ってきます。特にすざまじいのは2曲目。ベースの、地を這うような死者の呻きを土台に、これでもかという地獄絵図が展開されます。歌ったことのある人間の率直な感想は、こんな「祈りの虹」はいまだかつて聞いたことがありません。これほどの地獄絵図を描き出せるからこそ、最終楽曲のソリストによる”アヴェマリア”が生きてくるのです。
これほどの名演奏はきっと出ないと思います。特に、「祈りの虹」の旧盤(CD)をお持ちの方、ぜひもう一度、この盤で聞きなおしてほしいですね。星5個では足りません。絶品です。